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日々は妄想して過ぎゆく

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日頃、ぼーっとしていることが多い。
時間はゆったりと流れ、
風景がスローモーションのように映る。

すれ違う老婆の姿を目で追いながら、
この人は、どんな人生を歩んで来たんだろう。
そんなことを、とりとめもなく考えてしまう。

背中は曲り、白髪が目立つ髪の毛。
顔には無数の皺が刻まれている。
だけど、昔はそうじゃなかったはず。

溌剌とした美人だったかもしれない。
ナイスなバディで男たちを虜にしていたかもしれない。
頭脳明晰な才女だったかも・・・・・。
      

たくさんの、「かもしれない」が生まれてくる。
そうしているうち、ひとつのストーリーが浮かび上がるのだ。

セピアに染まった黄昏どきの交差点。
彼女は信号待ちで足止めをされていた。
その向こう側では、一人の男性が待っている。
      
信号が青になり、彼女は横断歩道に足を踏み出す。
と、同時に男性も歩を進めた。
ふたりの過去に接点はなく、すれ違うだけの関係。
だったはずが・・・・。

想像は膨らむ。

そんなこんなを繰り返しているうち、私は目的地を、
通り過ぎてしまうのだ。

今、この記事を書きながらも脳内では、別の妄想が広がっている。

眠りにつき朝を迎える頃、枕もとでは小人たちが、
「もうすぐ時間ですよ。現実に戻って下さい。夢はここまで」
と、甲高い声で叫んでいるに違いない。


2009.2(備忘録より抜粋) 
photo:kirara
文:smile-one


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【作者のひとこと】
私は迷子になる才能を持ち得ている。


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